徒歩キャンプとCPAP

キャンプとCPAP

徒歩キャンプで電源なしサイトに行く場合のCPAP利用方法の記事です。

徒歩キャンプに適したポータブル電源について

ほとんどのCPAPはACアダプタを使用しますので、AC出力のあるポータブル電源を用意すれば解決します。

それだけのことですが、徒歩キャンプで重たいポータブル電源を運ぶのはつらいので、CPAPのためだけに用意するのであれば、できるかぎり小型軽量なポータブル電源を選ぶ必要があります。しかし、あまり小さいものを選んで、夜中に電源が尽きても困りますので、ちょうど良い容量の製品を選ぶのがポイントだと思います。

必要な容量の算出方法

最初に使用しているCPAPの消費電力を調べます。

ワットチェッカー等を持っているのであれば、実際に使っているCPAPの消費電力を計測すれば良いでしょうし、持っていなければCPAPの製品のサイトで公開されている仕様を確認しても良いです。

わたしが使用しているResMed社のs9の場合は「約10W」と記載されていました。(実際にワットチェッカーで計測した値はそれより小さかったですが、ギリギリを攻めるよりは安全率をみた方が良いので10Wとして話を進めます。)

消費電力が10Wの製品を8時間使用したければ、80Whの電力量が必要です。

ただし、ポータブル電源の容量は全て使えるわけではなく直流から交流への変換や電圧の変換等を行う際のロスがあるため、実際に使えるのは表示容量の7割程度とされています。なので、80Wh使いたい場合には80Wh÷0.7で115Wh以上の容量があるものを選べばOKということになります。

容量算出時の注意事項

容量算出時の注意事項をいくつか挙げます。

  • マスクからの空気漏れが多いと消費電力も上がります。s9の仕様でも「マスクから空気漏れのない状態、圧力20cmH2O時」との記載がありました。
  • 加温するタイプの加湿器を使うと消費電力は増えます。自宅でテストして一晩使えることを確認してからキャンプで使用したのですが、屋外は部屋と違って寒かったので、冷たい水の加熱やホースの加温のために消費電力が大幅に増えて4時間も使わないうちにバッテリーが尽きたことがありました。乾燥する冬こそ加湿器が必要なのですが、キャンプの時は諦めた方が良いと思います。

製品選定時の注意事項

詳しくはポータブル電源の選定について記載されたサイトを参照していただきたいですが「純正弦波」が出力できる製品を選んだ方が良いです。

また、製品によっては電力消費を抑えるために、ACポートに接続する機器の電力が一定以下の場合、自動的に給電がオフになるものがあります。有名どころを挙げるとAnker社のPowerHouse 100です。Amazonの商品の説明にも「CPAPには対応していない」旨が明記されています。それさえなければ1泊用に最適なサイズ感なのですが残念です。

実際の使用例

わたしが実際に使用しているのはNEXPOWのポータブル電源です。

Amazon.co.jpの製品サイトより

容量は178Wh/48000mAhで重さは約1.5㎏です。あまり大きな取っ手もついておらず、牛乳パック的なコンパクトな形状なので運びやすいです。

だいたい2晩使えています。テントの中だと明るくなると目が覚めることもあり、一泊目は二泊目も使うことも意識して最初に目覚めたところでCPAPは止めてしまうので、一晩で使用しているのは6時間くらいかなという感じです。一応、残量のデジタル表示はあるのですが、数字の減りが均等でない(100〜50%の方が50〜0%よりも多い)感じがします。

まとめ

徒歩キャンプでCPAPを使用する場合のモバイル電源についての記事でした。

CPAPをキャンプで使用するまでは、わたしにとってキャンプでの夜は恐ろしいものでした。なぜかというと、眠っていて目が覚めるとまだ夜中で、もう一度目が覚めてもまだ夜中で、お化けとかが怖い私には「なんでこんなに夜中に目が覚めるんだ!? 早く朝になって欲しい! 夜が怖い!」と思っていましたが、そのことを妻に話したら「CPAP使っていないからじゃない?」と言われ、使ってみたら夜中に目覚めることは、ほぼなくなりました。夜中に目覚めるのが怖い人はご検討ください。

(おまけ)
モバイル電源は直流のバッテリーから交流に変換してAC電源を供給していますが、CPAP本体は直流電源を使用している(s9はDC24V)ので、ACアダプタを使って再度、交流から直流に変換しています。

モバイル電源から直接CPAPに直流を給電できたら2度の交流と直流の変換が不要になるので、今よりも容量の小さいモバイル電源を選べるようになって荷物が軽くなるかもしれません。というか、AC電源使用しないで済むのであれば、AC電源を給電するためのモバイル電源ではなくて普通のUSBのみのモバイルバッテリーを使えないかなと少し調べてみました。

しかしモバイルバッテリーは単なる電池ではなくUSBケーブルで通信してから給電するようなので、CPAP自身がモバイルバッテリーと直接会話するか、間にモバイルバッテリーと会話する何かを入れないと無理っぽいなと言うことで断念しました。あと、そもそも使用しているのが10W以下なので、変換ロス自体もたかがしれてるので、そこまでしてやるメリットが少ないかなと。

こういうとき、電気に詳しい人はいいなと思います。

最後が微妙でしたが、以上です。

コメント

  1. hisashi より:

    Cpap用のバッテリーが海外にしかなく、リチウム電池は現在空輸も船便もNGのようで困っていました。とても参考になりました。ありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました