キャンプストーブ2の楽しさについて

燃焼中のキャンプストーブ2 たき火

BioLiteのキャンプストーブ2(CampStove2)は楽しみどころの多いストーブです。

キャンプストーブ2とは

そこら辺に落ちている木片でお湯を沸かして電気も作れる小型の焚き火台です。
日本ではモンベルが国内正規販売代理店になっています。

わたしが初めて買った焚き火台でもあります。「三つ子の魂百まで」ではありませんが、最初に買った焚き火台はその人のたき火ライフに後々まで影響するのではないか(逆にその人の性格がわかるかも)と思わせられる道具です。

詳しい製品情報は公式サイトを参照してください。仕組みや魅力がよくわかります。
(見終わったら戻ってきてください。)

キャンプストーブ2とその他のたき火台

わたしは今までに8台の焚き火台を買いました(買ってしまいました)。

  1. キャンプストーブ2
  2. B-GO
  3. ピコグリル398
  4. ソロストーブ キャンプファイヤー
  5. VIRE STOVE
  6. Kombuis
  7. フォールディングファイヤーピット(モンベル)
  8. ソロストーブ タイタン

なので、以降に記載するのは8台使ってみた上での感想となります。

キャンプストーブ2のよいところ

先にキャンプストーブ2のよいところを紹介します。

発電できる

これを最初に書かないわけにはいきません。

ペルチェ効果で発電するだけなら、秋月とかでペルチェ素子を買ってくれば原理的には可能ですが、単に燃えているたき火の近くにポコッとペルチェ素子を置いても熱でリード線が溶けて終了だと思います。

「焚き火 発電」等で検索すると他には「こばこ」という小さな暖炉で使える発電モジュールもみつけられますが、常時入手できて単体で使える製品は現状ではキャンプストーブ2しかないと思います。

そもそも熱いところでリチウムイオン電池を扱えている

キャンプストーブ2の内蔵電池はリチウムイオン電池です。

リチウムイオン電池と言えば適切に扱わないと燃える、爆発することがあるのはたまに報道されていますが、それをあんなに火のそばの熱くなる場所に置いていてなんともないというか、そんなリスクのあるものを製品化できるというのはすごいと思います。

前述したようにキャンプストーブ2の国内正規販売代理店はモンベルなわけで、モンベルもそれなりに大きな会社ですから、取り扱いを始める前にリスク評価は普通にしているだろうと考えると、そういう意味でも同人的な製品とは完成度が違う気がします。

いろいろ制御している

キャンプストーブ2は中で何か燃やし始めると、熱を検知して勝手に電源が入ってファンが回り出します。

また、火の勢いが弱まってくると、たき火終了と判断して自動的にシャットダウンします。
初めて使ったときは、人が必死に燃やしているのに白煙しか上がらず、それを「たき火終了」と判断したキャンプストーブ2が何度もシャットダウンしてしまい「不良品か?」と非常にイラッとしました。

さらに、調子に乗って激しく燃やし続けると、自動冷却機能が始動してファンが高速回転に切り替わります。こうなると全てのインジケーターが点滅して本体が十分に冷却されるまでファンの速度も変更できなくなり、充電も行われなくなります。つまりちゃんと制御しているということです。

意外と質感が良い

ストーブ本体は燃焼室の外側が台形にくりぬかれたパンチングメタルで覆われた二重構造になっていて、よく見るとおしゃれです。

また、ケトルポットも底の部分が高い防風性と炎の熱を効率的に取り込めそうな形状でいい感じがします。

使用中も移動できる

普通のたき火台は本体が熱くなるので使用中は動かすことはできませんが、キャンプストーブ2は軍手等をした状態でプラスチック製のパワーモジュール部分と本体のメッシュ部分か脚を持てば移動させることもできます。(取扱説明書にも記載があるので禁止事項ではないようです。)

コンパクトに収納できる

パワーモジュール部分を本体に入れてコンパクトに収納できます。また、その状態でケトルポット(別売り)に入れることでコンパクトにまとめることができます。

意外と火力がある

取扱説明書の仕様では1リットルの水を4分30秒で沸騰させることができると書いてあります。

湯沸かしが早いことで有名なジェットボイルの最速モデル(フラッシュ)は500mlの水を100秒で沸騰させることができるそうですが、キャンプストーブ2も500ml換算にすれば135秒で沸騰させることができることになりますから、結構早いと思います。

ただしジェットボイルは少ない燃料で短時間に安定してお湯を沸かせるのが特徴ですが、キャンプストーブ2では燃料もたくさん必要でしょうし、条件を選ぶと思います。

袋ラーメンが作りやすい

ケトルポットは注ぎ口が付いたフタを外すと鍋としても使えます。

側面には水量のメモリも付いていますし、大きさ的に袋ラーメンを縦にするとぎりぎり入れることができます。

なので、お湯に入れながら少し麺を押すといい感じに調理することができます。麺の下側と上側で20秒くらいゆで時間が異なるとは思いますが、混ぜてしまえば多分わかりません。

薪一本でたき火ができる

通常たき火は薪一本だと炎が消えてしまいますが、キャンプストーブ2であれば、ファンを回して強制的に空気を供給することで一本の薪だけでも燃やし続けることができます。

キャンプストーブ2の期待しすぎるとがっかりするところ

今まで良いところを挙げてきましたが、そんなに良いことずくめならみんな買ってますよね。というわけで、期待しすぎるとがっかりするところを紹介します。

スマホを何台も充電できたりはしない

軽く試しただけなので、数字が独り歩きしても困りますが、キャンプストーブ2をフル充電して、自分のiPhone XS Maxを充電してみたことがあります。朝起きてどのくらい充電されたかなとわくわくしながら見たら19%しか増えていませんでした…。

内蔵電池の容量は2,600mAh(最近出たキャンプストーブ2 PLUSで3,200mAh)ですが、一般に充電で相手に渡せる容量は自身の6割程度なので、1,560mAh。わたしが持っているiPhone XS Max のバッテリー容量は3,174mAhなので、49%しか充電できないことになります。←実際にはさらにその半分以下だった訳だが…。

キャンプストーブ2自身が動作するための最低限の電気は残すようになっているのであれば、全部は使えないと思いますし、iPhone自体も電源切っていなければ使っていなくても電力を消費しますし、iPhoneのバッテリーが劣化していたり、ケーブルの品質が悪かったりしても充電の効率は落ちるでしょう。(とはいえ、19%は衝撃でした。機会があったら、条件をそろえて複数回試してみます。)

電気については詳しくないので違っていたら申し訳ありませんが、メーカーサイトに記載されている発電能力は最高で3W@5Vでしたので、その火力を維持できれば1時間で600mAh充電できることになり、キャンプストーブ2をフル充電するのに4時間20分。それだけがんばってiPhoneのバッテリー残量が20%弱というのをどう評価するかですね。

燃焼室が狭いので燃料を選ぶ

燃焼室は直径10cm、深さ18cm程度で小型たき火台としてはまあ普通ですが、発電用のプローブが中に突き出しているので太い燃料は入りません。松ぼっくり(燃料として例示されていますが)も大きめなのは入りません。燃焼が順調に進むと太めの薪も燃やせそうですが、プローブに干渉しない形状か確認する必要があります。

燃料補給がいそがしいので落ち着いてたき火できない

ファンによる吸気で二次燃焼を起こしてものすごい勢いで燃える割に、細めの燃料しか入れられないので、常に燃料補給していないと火が弱まってしまいます。「のんびりたき火」というイメージとはかけ離れます。

これについては、燃焼室に収まる太さの長めの薪を入れておくことで、すこし燃料補給のペースを落とすこともできますが、燃焼室上部から吹き出る空気で盛大に燃えるので、そのまま放置すると上部の空気吹き出し口付近で薪が燃えて折れます。なので、折れる前に薪を上から押して中に突っ込むか、折れて外に転がり落ちた燃えかけの薪を拾っていれるかのどちらかが必要になります。(なお、取扱説明書では、燃料は燃焼室内に収まるものを入れるようにと書いてあります。)

キャンプストーブ2単体で使うのであれば、そこそこ長めの燃料を入れてもどうにかなりますが、ケトルポットをのせたり、調理のために鍋をのせたりする場合は、油断するとすぐに燃料が燃え尽きるので、ひんぱんにゴトクの上に載せたものを持ち上げて、燃料補給をする必要があります。

そういう作業が好きな人にはたまらないかもしれません。

ファンの音が静けさをぶち壊す

前述のとおり、たき火している間は熱を検知して自動的にファンが回るので、かならずファンの音がします。自然の静けさを楽しんだり、飯ごうで炊いているご飯がチリチリする音で炊き加減を判断するとか、そういうことには向いていません。

ただし、河原キャンプ等で川のせせらぎ音が常時している場合は気にならない程度の音量です。また、自然の中でも文明を感じていたい人にはいいかもしれません。静かな中でファンの音だけがするというのもありかも。

キャンプストーブ2についての現時点での見解

最後にキャンプストーブについての現時点での見解を述べます。

(少しだけど)電気が確実に作れる

最後にもう一度これを書かないわけにはいきません。

発電できるのは楽しいです。ちょっとしたソーラーチャージャーにも劣る発電量ですが、でも、昼でも夜でも雨でも確実に電気が作れます。ゼロではありません。また手回し発電よりは全然楽です。

スマホへの充電では物足りませんが、ラジオとかならずっとかけてられると思いますので、災害用には結構向いている(災害の程度にもよりますが通信網が破壊されるレベルの大規模災害ではラジオの方が役立つ)のではと思います。

使いこなせたら楽しそう

キャンプストーブ2は私が最初に買ったたき火台でしたが、使い始めてすぐに「これは失敗だった」と思いB-GOを買いました。

でも最近は結構、持っていく機会が増えています。

どんなたき火台もそれぞれに味わいがあると思いますが、そのなかでもキャンプストーブ2は工夫しどころが多いというか、使いこなせたら面白そうと思うところがあります。例えば、状況に応じた風力の選び方とか、わたしが使うと一向に肉が焼けないポータブルグリル(別売り)の使い方とか、木質ペレットの継ぎ足し方とか。

つまり、まだ使いこなせていないというか、案外奥が深いたき火台だと思います。

以上です。

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